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いつも通り、仕事を終え帰宅する。
11時を回っていた。
居間で一人、夕飯を食べていると、息子が降りてきた。
「おかえり。」
「ああ、ただいま。」
「休憩時間。」
「うん。」
息子は麦茶をコップに注ぎ、向かいの椅子に座った。
「父さん、弁当箱。」
「ああ。」
鞄から弁当箱を取り出し、渡した。
「たまには食べてやったらいいじゃないか。」
「うん‥」
息子は気の無い返事をする。
「見たことあるか?」
「何を?」
「母さんの弁当。」
「うん。」
「凄いぞ。」
「知ってる。だから嫌なんだよ。」
面倒くさそうに息子は言う。
「なんで?恥ずかしいからか?」
「それもあるけど‥」
「けど?」
息子の言葉を促す。
「‥プレッシャー、なんだよね。」
意外だった。
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