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その日はとっておきのネタがたまたま手に入り、いつもより早く部室に行った。
爬虫類関係のネタだからきっと狂平と沢山話ができる、そう思うだけで足取りがかなり軽かった。
「ん…?」
廊下を歩いているとある教室から大きな声が漏れていた。
声をする方へ歩いて行くとよく見慣れた場所にたどり着いた。
俺たち腐男塾のいつもいる教室だ。
「だからお前の事を思って言ってやってんだろ!」
「うるせーよ!なんでそんな上から目線で狂平にそこまで言われなきゃいけねぇんだよ!」
「…狂平と浦正…?」
普段はすごく仲のいい2人。
2人だけで一緒に行動することはよくある事で、俺は浦正のポジションが何度も羨ましく感じていた。
そんな2人が喧嘩なんて…
「ザン、中にいるの浦正と狂平か?」
「部長!」
「しっ」
いつの間にか俺の背後にいた部長は口の前に人差し指を立てた。
中の2人にバレないようにと言いたいらしい。
中からは相変わらず言い合いの声が聞こえていて、俺は部長の耳元に顔を寄せた。
「昔からこんな感じなのか?」
「いや、俺も初めて見たから正直戸惑ってる。でもとりあえずもっと隠れて様子を見」
「もうお前の顔も見たくねぇよ!!」
「「!!」」
浦正のかなりでかい声と同時に勢いよく教室のドアが開いた。
拳をグッと握り締め、険しい顔した浦正が出てきた。
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