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「う~ん………」
「………う~ん…」
変な呻き声が部屋の中で響き続けて二時間くらいが経つ。
「分かったか?」
偉そうな甲高い声が、確認を取るような口調で言った。
「…………分かった!分かったぞ!つまりだ~記憶操作ってーのは不思議現象って事だ!」
親指を立てながら、自信を持って昴はスケボーに答えをつきつけた。
「俺…帰っていいか?」
「帰る足がありませんがね」
呆れ果てるスケボーに対して冷静なツッコミを入れるローラースケート。
「……違ってんのか?」
「言うまでもないだろ」
明らかに違う答えなのに、昴はかなりショックを受けたようだ。
「分かったぜ!」
隣にいた恵梨が突然、そう叫んできた。
「……で、何が分かったんだ……?」
特に期待を持っていない声でスケボーが尋ねてやる。
「つまり、記憶操作なんてヤツはアルツハイマーだっ」
「死ね」
スケボーは恵梨の下らないボケに残酷な突っ込みを入れた。
「ふう……人間はみんなこんなにバカなのでしょうか?」
「てめーらみたいな変態機械ともに俺らの価値を計られたくはねーよ!」
昴は何故か腕を組みながら恰好つけて言う。
「めんどくせーなあ……そろそろ戦闘訓練しようぜ。理屈じゃ事は進まねーし」
恵梨は言い合いする気もないらしく、面倒臭そうに欠伸を一つもらしながらそう言った。
「ま、お前らにはそっちの方を鍛えるしか無理のようだしな。
だが、最低限の知識を覚えるまで朝の勉強会は続けるからな」
「「え゛~~?!」」
二人の嫌そうな声が辺りに広がっていく。
「はぁ……やる気あんのか?今日はとりあえず今から戦闘訓練な」
「よっしゃあああ!」
「来た、来たあ!」
よっぽど嬉しかったのか、ガッツポーズを掲げたあとに二人は口々にそう言った。
「戦闘に関しては、あるようですねぇ……」
まるでスケボーをからかうようにローラースケートは言ってくる。スケボーは勿論、そんなローラースケートを完全無視した。
「ふぅ~、今日もいい汗かいたぜっ」
恵梨がタオルで自身の汗を拭き取りながら言った。
「あ――っ、このあと学校か……だりぃな」
昴は面倒臭そうに頭をかきながら言う。
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