ハネナシ

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そして空に飛び出したキミはこう答えた。 「あなたが望めば――――いつか必ず」 バイバイとは言ってくれなかった。 一枚のハネを砂浜に落としてキミは飛んでいってしまった。 キミとすごしたあのひと夏はすごく楽しくて、すごく寂しかったよ。 ◇◇◇ あの夏、空は蒼過ぎたのかもしれない。 僕があのとき海と空を見間違えなければ、きっとキミには会えなかっただろう。
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