182人が本棚に入れています
本棚に追加
「ブヮッカもーん!!!!うちの店をこんなにしよって、どうしてくれんだ!!!」
「ご、ごめんなさい!!ほら!!兄さんも一緒に謝ってよ!!」
「ご……ごめん……なさい………」
どうやらエドワードの突っ込んだ店は飲食店だったらしく、店内では食事をしているお客もいる。
その、いかにも頑固そうな店主は顔に怒りを露にし、エドワードとアルフォンスの二人を叱っている。
「すまないおじさん!オレが今この扉直すから!」
するとエドワードが、扉を直すと言い出した。
「駄目だよ兄さん、兄さんのセンスの悪さはピカイチなんだから、ここはボクが直すよ」
「なんだよアルー!」
「直すって…、どうやって……?」
二人の会話を聞いていた店主が、エドワードとアルフォンスに尋ねた。
「まぁ、見てて下さい」
そう言うと、アルフォンスはエドワードと顔を見合せて互いに頷き合い、腰のチョーク入れからチョークを取り出すと、素早く壊れた扉を囲うように錬成陣を床に描き、トン、と軽く陣の上に両手をついた。
するとまばゆいばかりの青白い光が、まるで稲妻のようにバチバチと光り、あっという間に辺りの大気中の空気を凝縮させた。
「……わぁ……、こりゃぁ驚いた………!!アンタ、ひょっとして錬金術師かい?」
「はい。あとボクだけじゃなくて、」
「オレも錬金術師だ」
頑固そうな店のオヤジも、これにはさすがに驚きを隠せないようだ。
唖然としながら、ピカピカに戻った店の扉を見ている。
「お前さん達、一体何もんだ?こんな凄い事を出来るなんて……」
聞かれたエドワードは、ニヤリと笑い、自信満々に言った。
最初のコメントを投稿しよう!