182人が本棚に入れています
本棚に追加
「錬金術師でエルリック兄弟と言やぁ、結構名は通ってるんだけどねぇ」
フフン、と鼻で笑いながら、エドワードは腰に両手を付き、偉そうに鼻を高くした。
「な、何だって!?エルリック兄弟だって!?まさか、そんな有名人がこんな田舎村に………そうか!こんないかつい鎧姿だから、二つ名が鋼なのか……!」
「はっ?お、オイっ!!」
店主の言葉に、言葉を詰まらせるエドワード。
「わぁ!!こりゃ凄いぞ!!村の一大ニュースになるぞ!!」
その場にいた村人達も口々に言い合いながら、ワイワイとアルフォンスの周りを取り囲んだ。
「い、いや、あの……!!ボクじゃなくて……!!」
アルフォンスは、あたふたとしながら、エドワードの方を指差す。
「………え?あっちのちっこいの…………??」
「どぅわぁぁれが豆粒ミジンコどチビかぁあぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!」
「に、兄さん落ち着いて!!」
アルフォンスは慌てて暴れだす兄を止めに入る。
「こんなのいつもの事でしょ!?」
「いつもの事とか言うなーーー!!!!!」
そしてエドワードは、荒れた息をなんとか整えながら、改めて言い直した。
「オ・レ・が!!!鋼の錬金術師、エドワード・エルリックだ!!!」
「し……失礼しました…………!!」
店主、村人共にその気迫に押されながら謝罪した。
最初のコメントを投稿しよう!