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「……にしても、本当にこんなちっこいガキが国家なんたらってやつなのか~?なんか、信じられねぇなぁ」
ははは、とその場にいた村人達もどっと笑った。
(…んにゃろ~~……。コイツら、まだ信じてねぇな………)
エドワードは、未だ半信半疑の村人達をキッと睨んだ。
「ところで何でそんな有名人さんが、こんな田舎村に……?」
「あー、いやぁ、ちょっと探し物をね。……そうだ!おじさん!この村の奥の、ユリウス山の麓に森があるって聞いたんだけだけど、それで………」
「やめときな!!」
「え……?」
エドワードが途中まで言い掛けたその時、突然店主がエドワードのその言葉を遮るように言った。
「オレ、まだ何も言って……」
「あそこに行くのはやめときな!命が惜しいならな……」
店主のただならぬ様子に、エドワードもアルフォンスも息を詰まらせる。
「兄さん、これってどういう事……?」
「さぁな。でも、何か訳ありみてぇだな……」
ヒソヒソと話をする二人。辺りを見回すと、店内の客も皆、こちらを見て強張ったような表情をしている。
「……おじさん、一体この村にある森に、何があるんだ……?」
「そ、それは……」
言いにくそうに言葉を濁す店主。
「お願いですおじさん!その森に、何があるのかボク達に教えて下さい!!」
「……仕方がないな……。お前達に教えてやろう、あの森の事を……」
エドワードとアルフォンスの二人の決死の願いが届いたのか、店主はユリウス山の麓にある、これから二人の行こうとしている森の事について話を始めてくれた。
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