第一章 二人の決意

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  「……お前らにも、それなりの事情があるらしいな。どうしてもって言うんなら俺は引き止めん。行くなら行くと、好きにするがいい」 お取り込み中のエドワードとアルフォンスの二人の間に横入りしてきた店主は、諦めたように静かに言った。 「ああ、そうさせてもらうよ。コイツが……、オレの弟がたとえ行かなくても、オレ一人で何としてでも行く」 強い決意を込めた顔でエドワードは店主にそう言った。 「駄目だよ兄さん。兄さんを一人で行かせるわけにはいかない」 「アル!!お前まだ分からな………」 エドワードがそこまで言いかけた時、アルフォンスはそれを遮るようにして言った。 「行くなら!!………、兄さんが行くなら、ボクも一緒だよ!だってボクらは、いつも一緒でなきゃ、元の身体に戻る意味が無いから…………」 「ア……、アル………」 「…………」 店内に、沈黙が流れる。 そして………、 「そうだな……。オレらは、それでこそエルリック兄弟なんだからな!!」 「兄さん……!!じゃあ……!」 「ああ、出発だ!!おじさん!オレら二人、森に行きます!」 やっとエドワードとアルフォンスの二人に、エルリック兄弟らしい笑顔が戻る。  
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