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「あ~!食った食った!ありがとうおじさん!これでホントのホントに出発出来るよ!」
「おぅ!頑張って行って来いよ!」
これでようやく本当の出発を迎える事の出来るエドワードとアルフォンスの二人は、店を勢い良く飛び出して行く。
「ほらアル!早く来いよ~!」
「待ってよ兄さん~!そんな走り方したら、また転んじゃうよ~!」
『死の森』へと向かって走ってゆく二人の後ろ姿を、店主と客が見送る。
しかしその顔は、さっきの歓声を送った時の顔とは違い、どこか心配そうな表情をしている。
「おやっさん、大丈夫かい………?」
一人の客が店主に聞く。
「ああ、大丈夫だ。ちゃんと手は打ってある。どうせあの二人も帰っては来ないだろうよ」
エドワードとアルフォンス、二人の知らない所で、怪しい笑い声が響き渡っていた……。
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