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「今の声って………」
ウィンリィの耳に、聞き覚えのある声が届く。
「もしかして………」
「もしかしてもクソもあるか!!だいたいスパナなんか振り回して危な………って、あれ…………………?」
「ウ、ウソでしょ!?」
エドワード、アルフォンスはその場で固まる。
「え………?え…………?」
戸惑うウィンリィ。
「エ………、エドォォォォォオ~~~~~~~~~~~~!!!!!?????」
「「ウィ………、ウィンリィ~~~~~~~~~~~~~!!!!!?????」」
「なっ………、何でお前がここに………!!??」
「どうして!?何でウィンリィがここにいるの!!??」
「アンタ達こそ、何でこんな所にいるのよ!!??」
「それが聞きたいのはこっちだ!!!!」
もう何が何だか訳が分からず、混乱する三人。
「つかお前なぁ!!いきなり現れた物に向かってやみくもにスパナ振り回すのやめろよ!!もしこれがオレ達以外の人だったらどうするんだよ!?危ねーじゃねーか!!」
「そうだよ!ウィンリィ!!」
「うぅ………」
二人に怒られ、しょんぼりするウィンリィ。
「でも……、怖かったの………。こんな真っ暗な森の中で一人きりで、ずーっと怖かったの!!」
涙目になりながら、ウィンリィはエドワードとアルフォンスの二人に、自分がどれほど心細く、寂しかったか、必死な表情で訴える。
「「ウィンリィ……」」
その必死な顔のウィンリィを見て、二人は言葉を失う。
「……でも良かったぁ~~!今はエドとアルの二人がいるから、あたしもう怖くなんかないもん!」
「……そっか……、良かったな………」
「うん!」
さっきとは打って変わって明るい声で元気にそう言ったウィンリィを見たエドワードとアルフォンスの二人も、パァーッと明るくなった。
「さてっと……!今夜はもう暗いし、ここらで野宿でもすっかな!」
「うん!そうしよ!」
「え~~!野宿嫌だぁ~~~!!」
「オイこらウィンリィ!!文句言うな!」
ワーワーと楽しく会話する一同。
三人の囲んでいる真ん中には焚き火があり、暖かい、やわらかなオレンジ色が、三人の笑顔を優しく包み込む。
そして次第にその笑い声は消え、いつの間にか、森には静けさが戻っていた。
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