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「兄さん!兄さん起きてってば!!」
バサッとアルフォンスに毛布をめくられ、寝起きが悪そうにエドワードは目を覚ました。
「…んん~~……、何だよアルゥ~~~~、オレは今大佐よりでっかくなって、大佐を見下してんだよ~~~~って……、あれ…………?」
「あれ?じゃないよ!全く!何の夢見てたから知らないけど、ユリウス村に着いたよ!ここが終点だったから良かったけど……、ほら服着て!乾いたよ!」
「んぁ?…あ、あぁ……」
頭にはてなを浮かべつつ、アルフォンスから自分の乾いた服を受け取りながら、エドワードはまだ少し寝ぼけていた。
「……?あ、そーだ!ユリウス村は!?」
「だから今いるここがユリウス村の駅なんだってば!!もう!!いい加減頭覚ましてよ!!」
「んー、あ、わりぃ…………。よーし!行くぞぉー!」
ようやく頭を覚ましたエドワードは、アルフォンスと共に列車から降り、元気よく走りだした。
「目指すはユリウス山の麓の森!!待ってろよー!賢者の石の資料ー!!」
「あ!待ってよ兄さ~ん!あんましはしゃぐと転んじゃうよ~!!」
「大丈夫だって!アルも早く来いよ~!」
アルフォンスの忠告を無視し、前も見ずに後ろから追いかけてくるアルフォンスの方ばかり見ながら走っているエドワード。
ユリウスの村の中で陽気にはしゃいでいたそんなエドワードには、自分の前方に現れている物など、目に入っていないようだ。
「わわっ!!兄さん前!!前~~~!!!」
「え………?うわぁっ!!!!」
『ドンガラガッシャ~ン!!!!!』
「……あちゃ~~………。だから転ぶって言ったのにぃ~~……」
アルフォンスが大きなため息をつきながら右手で頭を抑えている先では、エドワードが無惨にも店に突っ込み、壊れた店の木の扉の破片が、店内に散乱している光景があった………。
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