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「先輩!いつ退院されたんですか?」
「昨日」
「おめでとうございます」
「ありがとう」
美優の久しぶりの登校
制服に袖を通し、教室まで歩く途中、後輩達に囲まれる
「松下、おはよう」
「…おはようございます」
「退院おめでと、病院まで行けなくてごめんな」
「いえ」
「具合どうだ?」
「いつも通り」
「そっか…受験もあるし、無理するなよ」
「はい」
それだけ言うと美優を通り過ぎるのは担任の国見大地
「…大地くん」
消え入りそうな声で呟く
振り返っても大地はもう教室に入ってしまい、その呟きは生徒達の声にかき消された
中学3年の夏休み直前
本当は受験で入院してる場合じゃない
教室は受験モード一色でピリピリしてる
「はよ。美優、これもらった?」
「おはよ、何?」
「三者面談の予定表。夏休み入る前に全員終わらせる~って大ちゃんが」
同じクラスの幸斗が全員の予定の入ったプリントを持ってくる
「もう予定いっぱいじゃん」
「美優んとこは大ちゃんが直接行くんじゃね?」
「ああ…」
ピシッと机にプリントを叩きつけると机に腰を落ち着けた
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