序章

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見上げた空は真っ青だった 雲一つない空 眩しさに手をかざす 誰もいない屋上 ドアの横の壁にもたれて休むのがいつもの日常 佐久間 葵 成績優秀 黒髪のストレートが体の真ん中までなびいている ふいに音を立て,入り口の扉が開く 入ってきた人の思いつめたような横顔に視線だけを向ける ガシャン ガシャン ガシャン 葵に気づかずに真っ直ぐ進むと 一心不乱に音を立て一番奥のフェンスに登っていく 2人の間に風が吹く 狂ったように吹く風
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