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「別れて正解だよ。あんな男」
悪びれる様子もなくパクパクと料理を口に運ぶ目の前の男。
その男とは対照に、ハハッと引き攣った笑みを浮かべる俺。
ここはとあるファミレス。
俺らの出会いは数時間前に遡る。
俺が、恋人の家にアポなしで訪れた所、
「ようっ!暇だから来てやった…ぞ…………」
「「「えっ…」」」
見事に声がハモった。
まさに今から行為に及ぼうとしている俺の恋人(今となれば元恋人)と、その元恋人の下でこちらを見ている男(目の前の男ね)
「最悪…。邪魔してごめんね。ごゆっくり。バイバイ」
と皮肉たっぷりにニッコリ笑顔を作って合鍵を投げてきた。
…のに…
なんで俺はこいつと仲良く飯を食ってるんだろうか?
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