第一話 椎葉

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霜月十一日。 私は陥れられたのだ。 人は信じていいものではなかったのだ──。 そうだった。 「皇位に就くな」 と、父上がそう仰っていたではないか。 そういう意味だったのか。 今更気づいたところで何も変わりはしない。 父上が忠告して下さったというのに……。 ごめんなさい、父上。 もうそろそろ、私もそちらへ向かいますよ──。 ────…………。 磐代(イハシロ)の 浜松が枝を 引き結び 真幸(マサキ)くあらば また還り見む
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