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「霧宮先輩!これっ!よかったら受け取って下さい!」
オレの横で繰り広げられている桃色な展開。甘いお菓子の匂いが気持ち悪くなるぐらいに周りに充満してる。
あまりの気持ち悪さに涙と咳が出てきそうだ。……それ以上にむかつくけどな。
オレの後ろの席の男子は校内でも一際人気の高い男子、霧宮響(きりみや ひびき)。美形だわカッコイイわ気さくだわ……所々の理由から人気者。
当然、告白とかも来るわけで……。このバレンタインというイベントに乗じて告白する奴はかなり増える。
……後ろで聞こえるやり取りにオレが虚しくなるのは言うまでもなく、だ。しかも、全員が全員断られてやがるっ!可愛い子だろうが綺麗な子だろうがなんだろうがお構いなしにだ!どうして誰であろうが断る奴が人気者なのかわからない。
頼むから、その幸せを独り身のオレに分けてくれ……。
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