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女は腑に落ちない様子でそうなの、と呟いた。
ホッと胸を撫で下ろした僕に舞川梨恵が耳打ちしてきた。
「もしかして、朝月君!?」
「そうだよ。舞川さん・・・・・・だよね」
梨恵はコクンと頷き、空を見上げて空気を吸い込んでいる颯恵を目で指して言った。
「あの人、私の塾の講師なの。私、あの人には本当のこと言っといた方が良いと思う」
「本当のこと?」
「うん。あなたが朝月優太で私が舞川梨恵だってこと。つまり、魂が入れ代わってること」
僕は無言で頷き、ふと浮かんだ疑問を梨恵にぶつけた。
「なぁ、舞川も神に会った?」
舞川は微笑を浮かべた。
「えぇ。あの、だじゃれ好きな人でしょう。あ、私のことは梨恵でいいよ」
「わかった。じゃあ梨恵、そいつから何か言われた?」
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