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梨恵は呆れたように首を振り、僕と颯恵を交互に見てから僕のセーラー服の袖をつかんでグイッと引っ張った。
僕は颯恵の抱擁から解放されて梨恵の隣によろけながら移動した。
梨恵は真面目な顔で颯恵を見つめ、ゆっくりと口を開いた。
「・・・・・・颯恵さん。話したいことがあります」
颯恵は梨恵のただならぬ雰囲気に真顔になり乱れた服を直した。
「話したいこと?」
「えぇ。とても重要なことです」
――梨恵と僕はお互いの意見を交えつつ颯恵に僕たちの魂のことを順を追って説明した。
颯恵は信じられない、と連呼していたがしばらくしてようやく納得したように頷いた。
「・・・・・・突拍子もない話だけど、梨恵は嘘つく子じゃないしね。信じるしかないじゃない」
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