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その背中が家の中に消える。
僕は聞かなければならない事を思い出し、ドアが閉まる前に梨恵を呼んだ。
閉まりかけたドアが開き、梨恵が顔を出す。
「なに?どうしたの?」
僕は今思い出した事をそのまま口にした。
「梨恵、何か部活やってる?」
梨恵は一瞬ポカンと口を開けたがすぐにクスッと笑って言った。
「部活ねぇ。・・・・・・何だと思う?」
「え?」
僕は意地悪く笑う梨恵のつり上がった口を見た。
「さ、茶道部とか?」
梨恵の押し殺した笑いが道路に響く。
「茶道!?私茶道部っぽい?」
「いや、なんとなく雰囲気が・・・・・・」
梨恵は笑い涙を手の甲で拭って言った。
「茶道の雰囲気かぁ。でも残念、実は私、弓道やってるの」
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