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「き、弓道!?」
思わず声が裏返る。
「うん。・・・・・・そんなに意外?」
梨恵がカクンと首を傾ける。
「いや、意外っていうかちょっと予想外だっただけ」
梨恵は僕の、言葉を探す様子に楽しそうな目を向けながら言った。
「あ~あ、ていうことは私、今日部活サボっちゃったんだぁ」
「あ・・・・・・。ご、ごめん!明日からちゃんと行くから」
僕は両手を合わせて頭を下げたが梨恵は更に妖艶な笑みを深めた。
「まぁ、どうせ四週間後には二人とも天国に行っちゃうわけだから、部活サボったってどうってことないよね」
「あ、いや・・・・・・ごめん」
僕が素直に謝ると梨恵は今まで押し殺していた笑いを爆発させた。
近所迷惑にならないかと心配させるような音量でひとしきり笑った後、僕のおでこを指で軽く弾いた。
「君、面白いね。気に入った!私の体大切にしてよ」
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