23人が本棚に入れています
本棚に追加
僕はその顔を見てゾッとした。
人とは思えない程の青白さ、いや、青白いを越えている。
昔、こんな顔を幽霊が出てくるホラー映画で見たことがある。
目が動いた。
その視線は僕を完全に無視して宙をさまよっている。
僕は怖くなり、足音をたてずに移動してとりあえずこの場から離れようとした。
しかし、その足はすぐに止まった。
僕は凍りついた。
母が、母の体から出ていた。
幽体離脱と捉えていいのだろう。
青白く不気味に光る母の体が、机に頭を付ける母の体から半分出ているのだ。
・・・・・・まるで蝉の脱皮のようだ。
僕は警戒しながら母に近づいた。
僕は更に驚愕した。
青白い方の母の体を通してキッチンが見える。
その体が、透けている。
最初のコメントを投稿しよう!