旅立ち

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「……レナ…」 先に話し出したのは、るうくでした。 「レナ、わかってるよな… 儀式の事……」 「……うん…」 「じゃあ、いつ戻って来るかわからないのも知ってるよな……?」 「……………」 「……戻って来ないかも…」 「やめてー! 絶対るうくは戻って来るもん! 絶対絶対、戻って来るもん!」 「レナ、子供じゃないんだから……」 「……も、戻って来るもん… ヒック… 絶対私のところに戻って来るんだもん… ヒック… るうくとは、ずっとずっと一緒なんだもん……」 「……レナ…」 るうくはそっと抱きしめました。 「……レナ…」 「私、るうくの事が好きだもん! ずっとずっと昔から好きだったもん!」 「レナ… 俺だって、ずっと昔からレナの事、好きで好きでたまらなかった…」 「……行っちゃダメ… お願い… 行かないで……」 「……レナ…」 「……お願いだから…」 「……レナ、お前も妖精だから、わかってるだろ…」 「……でも… でも……」 ずっとレナは泣いていました。 幼い頃の『泣き虫レナ』に戻ってました。
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