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次の日、桜が散っていないか心配になり学校が終わると川沿いの土手にある大きな桜の木に向かった。
全力疾走で桜の木に向かって走り、目の前に着いた時は桜を見る余裕もなく、下を向きぜえぜえと息を切らせていた。
桜は……
桜は散ってない?
上を見上げると、桜はひとつひとつ綺麗に広がり、満開に咲いていた。
でも、満開に咲いてしまったって事は、もう歌っても桜の精霊は現れない。
その事に気付いた時には私は力が抜けその場に座り込んでしまった。
もぉ……駄目なんだ……
泣かないと決めたのに
目からは勝手に涙が零れ落ちた。
なんでなの?
なんで桜の精は私の目の前に現れてくれないの?
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