パレット

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  君の描く色に 染まりたくて きっと その日から 上手くなった作り笑顔   でも気がつかない君は 他のモノを染めて 僕は独り笑ったままで…    君の中に少しでも 入れたらなら 幸せを感じる事が 出来たのかい? 自分という色を 忘れるくらい 君を思っても 時ばかり過ぎて 僕は、僕は…     夢の中に君が居て 夢での君は 明るい色に 包まれていたのに   僕は何色とも つかない色で 君の色を羨ましく 待ち続けているだけ…   君のパレットの色に 染まれるのなら 自分の色なんか いらないと思っていた 幸せそうな君が 羨ましいくて 意地らしいくらい 好きなんだ だから…君に…     星の輝く夜の日に 告げられた君からの台詞 いつもと同じ笑顔に 見えていたのに 何処か寂しそうで でも 目線は やっと僕に向けられた ポツリ聞こえた その台詞… 「そんな寂しい笑顔しないで」   君のパレットの色に 染まれるのなら 自分の色なんか いらないと思っていた でも君は待って 居てくれたんだ 僕が僕の色を作り上げる その瞬間(トキ)を   作り笑顔なんかもういらない 君に初めて 心から笑い掛けた時に 何故か涙が落ちてきたよ やっと言えるから 僕のパレットで… 「貴女が…好きです」    
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