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教室は先程とは打って変わり静寂を貫いている。智樹は思考を巡らせるが何も出てこない――理由が浮かばないのだ。
「どう思いますか? 恥ずかしながら何も思いつかないんですが……」
2人に投げかけてみるも首を傾げるだけで口を開こうとはしない。やはり、学園に出現したという事自体が既に謎であるということなのだから……
沈黙が続く中、答えが出ないと悟ったのか由香里が手を叩き注目を集める。
「綾乃ちゃん、水居君、今日はとりあえず帰らない? 明日またこの教室に集合して調査をしようよ」
綾乃も智樹もこの提案を受ける他無かった。智樹は2人と連絡先を交換し夕陽で朱く染まる教室を後にした。
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