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智樹は先に鞄を置きに行こうと考え、自室に続く長い渡り廊下を歩き始めた。
春の気配を感じさせる陽気な日差しで照らされたりと、外の様子が伺える渡り廊下は智樹のお気に入りである。
鞄を置き直ぐさま智治の部屋に向かった。
智治の部屋に向かうには中に入り組んだ廊下を歩かなければならない。
途中に特に誰とも会わなかった智樹は智治の部屋に着いた。
襖を軽くノックする。
「入ってよろしいですか? 宗主……」
「……智樹か? ……入りなさい」
中から智治の許可が出たので礼をして静かに襖を開いた。
智治の部屋は古風で畳の床に屏風、盆栽や壷などでレイアウトされている。
「……失礼します」
そう言って智樹は一旦言葉を止めた。
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