序章

7/10
前へ
/384ページ
次へ
風呂から上がり、飴を一つ取って口に入れた。 キッチンに置かれた琉球細工のガラス瓶は、優希が沖縄旅行に行った時に買ってきてくれた趣味のいいものだった。 私が飴を入れるのに使っている。 薄い青と濃い青の模様が乗った透明なその瓶は、いつも窓からたくさんの光を受けて日焼けしていた。 書き物をするようになってからだろう。飴を癖のようにいつでも口に放り込むようになったのは。
/384ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8950人が本棚に入れています
本棚に追加