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??『お前……角があるのか?』
俺は痛みに耐えるために必死に体に爪を立て、意識を保った。
《あら見られてしまいましたか。…少々刺激が強いかと思い、隠していたのですが。》
痛みが引くと同時に、空白の脳内を埋めるかのように記憶のピースがはまりだす。
??『そうか……俺はまたこっちに転送されたのか』
記憶を取り戻す事に集中すると徐々に意識を取り戻すことができた。
《すみません……どうしてもあなたに頼まなくてはならない事が起きたのです》
また新たな魔王でも誕生したのだろうか?いや、奴は確実に仕留めたはず。
??『そうか……そうか俺は転送中に襲撃を受けたのか、……そうだスケイルっ!!ぐあっ!!』
再び全身に激痛が走りのたうち回る。
《“治癒”!!》
リクレールの手のひらからまばゆい光が俺を包み込み、痛みから意識を遠ざけてくれたようだ。
??『ありがとうリクレールさん、スケイルの様子は?』
学園から帰る途中、アルバートやシシト達と別れた後にスケイルが突然俺の前に“転移”してきたんだった。
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