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「きゅぅ……」
「腹減ってンじゃねぇか。遠慮すンなよ」
だがアヤは首を縦には振らず、小さく横に振った。
「あんまり……迷惑かけたくない……ヨースケ疲れてるから……」
俺が十歳くらい年下のガキに呼び捨てされるのはまぁこの際置いといて、だ。
なんでこいつはそんなに遠慮をする?
「じゃあ腹減ってないンだな?」
「……」
「ガキが意地張ンなよ。お前が腹減るのと、俺が疲れてんのは関係ねぇンだから」
よっこいせ、と立ち上がり冷蔵庫を開けた。
見事なまでに食材は揃っている。
俺って結構料理するの好きなんだよ。
「る~るる、るるる、る~るる、るるる……♪」
あ、違うこれ徹子の部屋だ。
キユーピー三分クッキングじゃねえ。
「な~に作っかなぁ~……うどん、か」
ちょうどうどんが二人前あったため、いそいそと準備に取りかかる。
ネギを切ってシーチキンと一緒にあえて直ぐに出来た焼きうどん。
俺も腹減ったし二人前作ってアヤのところへと持っていった。
「まぁ簡単なもんしかねぇけどよ、焼きうどん」
皿に盛った焼きうどんは香ばしい香りで鼻を刺激してくる。
「喰わねーンか?ウメェぞ?」
アヤは目の前の焼きうどんを凝視していたが、やがて何かに負けたのか箸を手に取った。
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