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「アチィから気ィ付けて喰えよ」
「アッ!!」
言ったそばからやるかコイツは?
「ふぅ~ふぅ~」
アヤは焼きうどんを冷まして口に運んだ。
「ンメェか?」
「……ンメェ…………」
一口、また一口と焼きうどんはちゅるちゅるとアヤの口へと運ばれていく。
しかし突然、アヤは大粒の涙を流し出した。
「え?お前…………なんで泣いてンの?」
「グスン…………エグ……ウグ……ムグ…………マグ………………ンメェ……」
お前は千尋か?
泣くか喰うかどっちかにしろや!!
しかし泣きながら喰うって結構シュールな。
「ッェグ……グス…………えっ……ゴホ!!エホッ!!」
汚ッ!!
コイツむせやがった!!
「泣きながら喰うからだよバカ。泣くほどマズかったか?」
「違う……グズ……ヨースケが…………エグ……凄く優しくて…………ご飯も美味しくて…………」
「…………お前も大変だったンだなぁ……」
「…………グスン……色々と大変だった」
そっか……
コイツもコイツで苦労してたんだ……
しかもいきなりここに来て不安もあっただろうに。
アヤ…………だから泣きながら喰うなって。
「ゲホッ!!ガハッ!!」
学習能力無いねお前……
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