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「っていうか、好きな人できても下田に言わないよっ」
下田は急に泣いてるマネをして少し高い声で言う。
「ひ、ひどいわ凪ちゃん……。
三年間の月日は無駄だったのね!」
うわぁ……。
利恵ちゃん多分 今、
大笑いしたいだろう……。
笑顔がそういってる。
心では絶対大笑いしてる!!
ガハハって!!
こ、この猫かぶりめぇっ!!
「三年間だろうがなんだろうが
い、一応男子なんだしっ?
だ、第一、下田だって
言わないじゃん!」
く、頭に血がのぼってイマイチ喋れない。
「……まぁ、それはお互い様だろ?」
あっ――。
苦笑い。
うまく笑ってるつもりだろうけど、いつもの笑顔じゃないよ。
三年間一緒にいれば、
私だってそれくらいは分かる。
「じゃあさ、下田君の考える恋ってなぁに?」
さっきまで下田って呼び捨てだったのに!!
なぁんて、もう慣れました。
というかこれでこそ利恵ちゃんなんです。
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