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「驚いたな…初めて断られたなんて」
「クスッ…気に入りました」
この私を本気で平手打ちとは
「残念だが、俺も気に入った」
「やはりそう言うと思いましたよ」
「兄弟だしな」
「会長、これが」
「生徒手帳ですね」
「入学式早々、生徒手帳を落とすとは」
パラパラっと手帳をめくり、ポケットに入れた
「お前…住所を暗記したな?」
「さぁ?」
「どうするんだ?」
「そうですね…明日また呼び出しましょう」
「来るかな?」
「担任に言われればね」
「卑怯な奴…」
「お互い様では?」
「まぁな」
二人で顔を見合わせ
クスクスと笑う
「また悪い癖が出たわね」
「だな…可哀相に」
「でも、コスプレは見たい気がする」
「胡月…変態」
「お前も見たいくせに」
「まぁ…」
「あ~ん、冬矢様があんな奴に…やだやだ」
「燕羽、諦めろ」
「でも、会長を叩くなんてかなりのものよね」
「だよな~」
「俺はそのまま押し倒すのを期待していたのに」
「胡月…もう喋るな」
「はい…」
みんなはお茶を飲みながら、窓の外を見つめる
会長を見ていた
気が強い姫だな…
叩かれた頬がヒリヒリする
しかし…可愛いだけかと
思っていたのに、驚いた
俺はそういう奴をずっと捜していたのかも知れない
他の奴らなら泣いて喜ぶはずなのに、翔は違っていた
「和海、嬉しそうだな」
「冬矢もでしょ?」
「ああ…あの瞳の光に
やられたな」
「確かに」
「抜け駆けするなよ」
「わかっていますよ」
「楽しむなら3人でな」
「勿論です」
誰にも媚びない翔を
手に入れたいと思った
無理矢理押し倒して
泣かせたい…
そんな衝動を抑える自分に笑えた
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