出会いはね…

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『後、1時間か…』 3時間目の授業が終わり、次の体育の準備をする はぁ… 陸上は好きだけど、 球技は嫌い まぁ、この学園には 違った球技が好きな奴はいるけどね… ……ゾクッ 一瞬寒気がした 違った球技とか… 何言ってんだ俺 恐ろしい… そんな事を考えながら ぼーっとしていた 「危ない!」 『えっ?』 …と気付いたと同時に 星がとんだ どうやら顔面にバレーボールが直撃したらしい 『……っつ』 顔面を押さえながら うずくまる 下手くそ… 隣のコートから飛んでくるとか… あっ…ダメだ 目の前が真っ暗になってきた 「わざとですね?」 「明らかにわざとだよな」 「会長と副会長…」 その姿を見て、体育館の中が静寂に包まれる 「何だよ…翔の生足を 見るつもりでわざわざ やってきたのに、ジャージとか…」 「知ってたくせに」 「まぁな…可哀相に… 顔が赤くなって…」 「早く保健室に連れて行きましょう」 「ああ」 翔を抱き上げながら 冷たい声で言った 「次に同じような事を見つけた時は……覚悟して下さいね」 「それから…俺達が翔に付き纏っているんだ… だから翔に嫌がらせをするなよ?」 と言って睨み付ける 「だけど冬矢様っ!」 「会長もこんな奴に構いすぎです」 そうか… こいつらは小学部から ずっとこの学園にいるから、よそ者の翔に俺達がちょっかい出している事が気に入らない訳か 「二度と…翔をいじめないように…」 「次はないぞ」 静まり返った体育館 4時間目の終わりを告げるチャイムが鳴り響く 「行きましょう」 「ああ」 先に保健室に居た紅蝶達に、生徒会室の部屋の鍵を渡す 「あら、翔?」 「脳震盪を起こしています」 「診ようか?」 「大丈夫です…邪魔をして申し訳ありません」 ベットに寝かせ、顔に冷たいタオルをそっとのせた 「クソッ…午後は生徒集会でした」 「まぁ、気付いた時に 俺達が居たら余計に焦るだろ?」 「そうですね…」 翔の顔を見つめ、 保健室を後にした 「キスくらいしておけばよかった…」 「今更だな」 「はぁ…私とした事が」 「アホ!」 なんて会話をされていた事なんて、俺は全然知らなかったんだ
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