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まぁ、そんなこんなで俺は侑斗と一緒に学校へ向かった。
学校に着くと、俺たちは入学式が行われる体育館へ行き、指定された座席に腰を下ろした。
偶然にも侑斗は俺の前の席で、式が始まるまで他愛ない話をしていた。
侑斗と話している途中で、俺の横を茶色い髪のショートカットをした女子生徒が通った。
背丈が平均男子以上はあった上にショートカットだったので、一瞬男子かと思ったがスカートを見て女子だと気付いて驚いた。
(うわぁ~……あれは絶対男勝りで、筋骨隆々としてる色気のないタイプだなぁ……)
その女子の後ろ姿を見て感じた第一印象はそれだった。
するとぼーっとしている俺に気付いて侑斗が声をかけてきた。
「なにぼーっとしてるの?バカみたいだから………いや、違うな………バカだからやめた方が良いよ?」
「何で言い直すんだよ!それだと、ぼーっとするのやめても俺はバカのままじゃねぇか!」
「じゃあ………うつけ者?」
「似たような意味だろっ!」
「いい加減入学式始まってるんだから騒ぐのやめなよ、康平」
「くっ………もう、いじけてやるからな………」
この様に、たいてい侑斗は謝罪も弁解もなしで話を終わらせてしまうため、俺はひとりでいじけるぐらいしか出来ない。
いつか……いつか侑斗を俺の前でひれ伏させてやる……
「康平、あんまり無駄な考えはやめた方が良いよ…………長生きしたいならさ……」
「あっ、はい!すいませんでしたぁっ!」
あぁ見えて侑斗はケンカも恐ろしく強い。だから、俺も下手に反抗は出来ない。
短い入学式が終わり、俺と侑斗はクラスの発表を見に行くことにした。
「……あった!俺は1-Cだ。侑斗はどこだった?」
「……康平の5つ前に僕の名前があったの目に入らなかったの?」
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