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「そうだったか?まぁ、同じクラスで良かったな!」
「そうだね」
侑斗は何ともないように装ってるが、こいつは本当は人見知りが激しい上に寂しがりだから、同じクラスになれて内心喜んでることだろう。
俺だって、侑斗と居た方が楽しいから大歓迎だ。
あとは周助が居ればもっとよかったんだけど…………居た。
「侑斗!康平!」
教室に入ると、いかにも女子に人気がありそうな容姿・スタイルの男子が俺たちの名前を呼んで近づいてきた。
「「周助!!」」
きっと、俺とハモってしまったことに侑斗は不満を感じているだろうが、今はそれどころじゃない。
なぜなら中学の時に転校していった俺と侑斗の親友が目の前にいるのだからだ。
「久しぶりだな!周助」
「周助もこの高校だったんだね」
「あぁ。転校といっても隣の市だったからな。高校はまた二人と一緒にしたかったから、勉強頑張ってここに来たんだ。」
こいつは戸田 周助(トダ シュウスケ)
勉強・運動・容姿・性格・資産、すべてにおいて自他共に認める完璧人間だ。
唯一、弱点があることにはあるがそれもギャップと言ってしまえば逆に好印象かもしれない。
「連絡も取ってなかったのによくこの学校だってわかったなぁ」
「侑斗は転校する前からここに入るって言ってたし、康平も頭良かったからな」
「そういえばそうだったね…」
侑斗は少し哀しそうな表情をしてそう答えた。
「なにはともあれ、また三人そろって同じクラスになるとは俺たちもすげぇな!」
この雰囲気を変えるためにも、俺はなるべく明るく振る舞った。
すると、担任の教師らしき男が教室に入ってきた。
「あっ!先生が来たみたいだね」
そう言って,俺たちはそれぞれの席に座った。
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