君の名前はサブロー

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 それにしても重い……  背はあたしと変わらないし、アバラ骨の感触が伝わるくらい痩せてるはずなのに、支えてるこっちがへたりそう。   「ねぇ。後少しで着くから、しっかり踏ん張ってよ!」 「ムリ……これがMAX」 「ってバカ! それ以上体重かけたら……きゃっ!!」  案の定、尚美は裕太を支えきれなくなり、その場に倒れ込み、裕太は尚美に覆い被さったまま、一向にどこうとしない。 「ちょっ……重い! どいてよ!」  バシバシ肩口を叩いてみても、埃が舞うだけで少年は起き上がってはくれない。  こんなところを誰かに見られてしまったら…… 「冗談じゃないわよ……」  何とか自力で這い出して、カツカツヒールを響かせながら、廊下の突き当たりにある部屋の扉を開ける。 「早く来ないと閉めちゃうわよ?」
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