ささやかなる幸せの言葉

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確かに私の画風が変わった… 個展の話しは進んで、一枚描きあげるのに何日もかかった きつかった私の線は優しくなった。でも力強さは前よりもしっかりしてきた 龍平先生や石橋先生にも見てもらったが、二人とも驚いていた 街にクリスマスケーキの予約のポスターが張られる季節になった 髪が伸びたのでまた胸の辺りまでカットして石橋先生の家に行った 先生が私をモデルにするこだわりは胸までの髪だ 暖房の効いた部屋で私は裸になる 水墨画は諦めたのか、今日は油絵だ(笑) 『龍平君のセックスはのばらを変えたのかな…』 『わかってたの?』 『わかるよ(笑)』 『どんな風に?』 『顔付きが…エロチックになって、身体の線が滑らかになって、薔薇のアザがますます鮮やかになった…画風が変わったのもそうだろう?』 『ええ(笑)先生に隠し事できないですね。彼の奔放なセックスに正直、私は感動すらしました。愛を求めないセックスなのに、あんなにできるものかと…』 『もっと、もっとのばらの感性を引き出してもらえ』 『でも彼だけのおかげじゃない』 『他にも男かい?』と先生は手を止めた 『猫を拾ったんです(笑)あの黒猫…気まぐれだけど一緒にいるだけで、情がわきます』 『お前から情がわくなんて台詞初めて聞いた(笑)結構な事だ』 先生は鼻唄混じりに私を描き続けた…
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