静寂な時

1/7

1160人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ

静寂な時

作品が仕上がったのはもう夏の終わりだった 20作品… ヒョウは人魚の絵がやっぱりいいと言った 私は石橋先生と銀座の画廊に作品をもっていった オーナーは一枚づつゆっくり見ていった このオーナーは石橋先生の元奥さんだ 先生との結婚生活は二年だったという 油絵の趣味はこのオーナーの影響だろう 『よくなってる…よくなってるわ!この教会の絵はどんな気持ちで?』オーナーは少し興奮していた 『夢に、夢にでてきたんです』 死んだと思ってたあの夢…あの教会に二匹の黒猫を描きそえた 『不吉と言われる黒猫が教会にいるなんて、いろんな想像かきたてられるわ』 画廊の帰りに先生の家によった 『モデルいいか?』 『喜んで(笑)』 いつもの部屋にいき私は服を脱ぐ…いつもの風景だ… 『初めてお前の絵を描いた時、勇気のある子だと思った』 『すごく緊張してた』 『そのお前から抱いて欲しいと言われた時は、驚いた(笑)』 『正直どうでした?ただたんに処女の娘抱いたくらいの気持ち?』 『はじめはね(笑)でもお前はすぐに感じ始めた…身体をピンクにさせ、アソコを濡らして』 『セックスって気持ちいいんだと思いました』 『今日だけにしておこうと思った。のめり込んでしまいそうだからね(笑)だからこうやって、綺麗になっていくお前の裸をいまだに描き続けてる』 先生は手を止めると私に近づいた
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1160人が本棚に入れています
本棚に追加