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帰りに公園にいくと、ヒョウがいた
『お帰り』
『ただいま』
途中二人で夕飯の買い物に行った。手慣れた手つきでヒョウはカートに商品をいれる
『ここのバケット美味しいんだ』と言った
買い物を終えて外に出た時、雨が降りそうだった
『早く帰ろう』と私はヒョウの腕を掴んだ
他人がみたらきっと恋人同士に見えるだろう
同じような境遇、同じような苦しみを味わった仲間なのだ
恋人よりも絆がかたい
お風呂を上がった時、外はすごい嵐だ
カミナリがなり、風と雨が窓をうっていた
私は怖くなかった…昔から嵐は好き。気分が高鳴る
『のばらは怖くないの?』
『うん、嵐は好きよ』
『僕は苦手かもしれない』
『かもしれない?(笑)』
『嵐の時はいつもバイオリン弾いてごまかしてたから』
大きなカミナリが鳴った
近くに落ちたのか電気がとまった
アロマのろうそくに火を燈して停電が回復するまで待った
『のばら、ろうそくの明かりの中だと不思議な気持ちになるね』
『ホント…』
ヒョウは私にキスをした
彼とこんなに激しくキスしたのは初めてだった
セックスはない、ただキスだけをして抱きしめ合う
嵐の中二人の影は揺れていた
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