桜の木の下で君を想う

のばらとヒョウ

個展が終わり、私はまたパリに戻った

ヒョウがいるオーケストラのコンサートには間に合った

ヒョウはコンマスまでつとめていた（笑）さすがだ

コンサートが終わり、私は初めて楽屋にヒョウを訪ねた

『のばら！どうだった？』

『最高（笑）間に合ってよかった』

『個展はどうだったの？』

『完売（笑）大成功よ』

『パリにはまだいるだろう？』

『ええ、ヒョウはどのくらいこのオーケストラにいるの？』

『あと一ヶ月くらいかな』

『あとは演奏旅行なの？』

『多分そうなる。日本にはしばらく戻れない』

『私は行ったりきたりになるわね。お互いいい経験になる』

アパートにもどるとヒョウがリゾットを作ってくれた

『久しぶり、いただきます』

『のばらもちゃんと料理して食べなきゃ。日本に帰ると心配だよ』

『そうだね…ヒョウが日本にもどるまでには、何か作れるようになっておくから』

『あの部屋に早く戻りたい…』

『ヒョウの居場所はいつでもあるわ。心配しないで』

『あの桜も恋しくなるんだ…』

私達二人共、あの桜に恋してるようだ

私はのえる先生が買った絵のコピーをヒョウに渡した

『これ…』

『あの桜よ。下に寝てるのは私達（笑）』

『ありがとう！大事にする！』

ヒョウは子供のようにはしゃいだ