桜の木の下で

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桜の木の下で

久しぶりに石橋先生の家でモデルをした 『しばらく日本か?』 『そうです。枚数が多過ぎて(笑)こっちで作品描いたほうが楽ですから』 『ヒョウ君はよく賛成してくれたな』 『お互い自由だけど繋がってますから』 『セックスした?』 『しました(笑)』 『なんだ、おもしろくないな』 『もうピル飲んでませんよ』 『ますますおもしろくない』 『すねないで』 『結婚しちゃうの?』 『しませんよ(笑)』 『なんだ…おもしろいのか、おもしろくないのかわからない(笑)』 『ねえ、先生』 『なんだ?』 『先生こそ個展だしてくださいよ…私の裸体』 『いやだ』 『どうして?』 『この絵は俺だけのもんだから』 『オーナーも言ってましたよ。あの人個展開かないかしらって』 『開いたってさ、作家の俺の名前でくるだけだ。おもしろくない』 『頑固な人だな…でもそんな先生だから私モデルになってるんですよ』 『そりゃあありがたい(笑)』 先生は笑いながらも手を止めることはなかった
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