桜の木の下で

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今までこんな不安な気持ちはなかった… ヒョウのいないこの部屋がとても淋しく思えた どうしたんだろう?私の事忘れたんだろうか? いろんな不安が私を押し潰しにくる 石橋先生から連絡があり、あの別宅に行った 『あら、先生水墨画また始めたの?』 『今回は自信ある!庭に桜の蕾出てるだろ?あれバックにして描きたい』 『はいはい(笑)』 私は裸になるといつものように薔薇のアザがみえるように寝た 仕上がりは見事だった 『ずっと練習してらしたの?』 『当たり前だ(笑)この薔薇のアザが描きたかったんだ。桜もいいだろう』 『ええ(笑)もう油絵だけなんて言えないわ』 『元気ないな…どうしたのばら』 『最近やたらと部屋が広く感じるんですよ』 『それは淋しい病だ。うん』 『なんですかそれ(笑)』 『いるべき人間がいないとかかる病気だよ。そろそろ淋しくなったか』 私は下着を付けながら笑った 『日本に帰ってきて一年たちますもの(笑)さすがにそうなのかもしれませんね』 『まあ…大丈夫だ。すぐ治るさ』 『わかるんですか』 『わかるんだ(笑)』 『信じます』私は服を来て先生の作品を携帯のカメラにおさめた
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