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「ッ!!」
驚いてついつい身構える。
「心配しなくても、アンタを刺したりしないわよ。」
敵意は無いと言うが、そんなに堂々と刃物出されても説得力は皆無だ。警戒して距離を開ける俺を見ると、メイザーズは面倒くさそうに懐からケースに入っているチョークを取り出した。
手に持つ短剣には不思議な装飾が施されており、俺から見て右側は黒、左側は白く色分けされていて、刀身には一つの赤い丸石の様な物が埋め込まれていた。
「サッサとこんな面倒な仕事片付けたいから邪魔しないでよ?」
メイザーズはため息混りにチョークで足元に何か円形の陣の様な物を書き始めてそう言った。
「……な、何やってんだ?」
今さらでなんだが、若干引き気味になってしまう俺、それもそうだろう、今日会ったばかりの転校生が、いきなり自分を勝手に呼び出し、いきなり目の前に陣を書きだすのだから。
「何って自動時空間転移陣を書いてんのよ、悪い?」
俺の頭は例の通り、こんがらがった。
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