現実と幻想の境目

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  「…んだよ、合計でも2000円しか無ぇじゃねぇか。そりゃ、たかりたくもなるよな。」 今の声は俺。 俺は今、そこの路地裏で仲良くのびている不良二人組の財布を探っている。 どうせ、この金も他の奴からせしめたんだろう。少しぐらい猫ばばしたって構わない筈だ。 ………と、思いながらも、その金を自分の財布に入れる時、妙にコソコソしている俺は結構ケチで汚い野郎なのかもしれないな。 ま、いいや、そんな規模の小さい事は無視だ、無視。 少々自暴自棄ぎみになった俺は携帯を開き、ディスプレイを見て時刻を確認してみる。 「……完璧に遅刻、か。」 時間は完璧に9時を回っており、学校ではもう1限目が始まっている。 現実とは至って無情だ。 憂鬱になり、このままサボってしまいたいという衝動が脳裏を過ぎる。 だが、ここでサボると、学校の奴等による俺へのイメージが更に悪くなる事は避けられないだろう。 仕方ない。 これからでも行くか……。  
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