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オリンピックの3人のメダリストたちは…、
お互いに顔を見合せて笑い合った。
「あなたたちは、最高のライバル同士なのですね」
と、インタビュアーである私は言った。
「…まあ、そうかもね。ぼくは勝ったからこういうことが軽く言えるのかもしれないけど、
あとの二人の心は穏やかではないはずさ」
そう答えたのは黒地に赤のラインを入れたドン・ホセのコスチュームに、胸のあたりを金メダルで飾ったロシアのスケーター、エリック・ミハイロフだった。
「穏やかではない、とは?ミハイロフ選手」
…と私がふると、
彼は金メダルよりも光沢を放っているブロンドの落ち着かない髪を指ですきながら、
「…それは二人に訊いてみてよ」
と笑った。
「ぼくはエリックだけがライバルさ。
エリックがライバル視しているマニュエル氏は、ぼくの憧れの選手だもの」
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