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「藤~」
俺は藤の部屋に入って、その名前を呼ぶ。
木下藤吉郎の名前を。
「はい。どうなさいました? 巽さん」
最近、普段呼ばれない、巽という名前で呼ばれるようになった。
最初は少しくすぐったかったりしたし、自分のことのように思えなかったりもしたんだが、もうなれてしまった。
「剣術の指導をしてほしいんだが、今時間あるか?」
少し考える時間があって。
「はい。喜んで!」
悩んで、と言っても、多分予定と照らし合わせてたんだと思う。
結構俺の頼み事を快く引き受けてくれるからなぁ。藤は。
「場所はいつもの所でよろしいでしょうか」
「了解。じゃ、いこうか」
「はい」
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