3.飛び交う噂

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「ねえ犬夜叉」 「あぁ?」  珊瑚と合流した犬夜叉は、いつものようにかごめを背負って走っていた。隣では珊瑚を乗せた雲母が低く飛んでいる。 「何で、弥勒様を連れてこなかったのよ?」 「…ああ?どういう意味だよ。 さっきからワケわかんねえこと―」 「だからぁ、今までずっと弥勒様と一緒だったんでしょ?」 「情報集めている時はな。 その後一旦村長の家に戻ったけど、まだお前らがいなかったんだよ。  そしたらあいつが」 『まだ戻ってきてないようですね』 『夕方には戻るんじゃねえの?』 『ではそれまでの間、散歩でもして来ますか』 「…だから俺は、お前らが戻って来るまで村の中をうろついてたぞ」 「だから村長さんの家にいなかったの?」 「俺はじっとしてるのが嫌いなんだよ。体を動かしてねえと、体が鈍りそうで」  ぶつぶつと言いながら走っていると、今度は珊瑚が口を開く。 「じゃあ、法師様とは別行動だったんだ」 「ああ」 「ちょっ、ちょっと待て!」  慌てた様子で七宝が叫んだ。 「おらには矛盾しているようにきこえるんじゃが…」 「「…は?」」  三人の目が丸くなる。 「おら達が犬夜叉たちの行方を村長に聞いた時『法師様はあの少年と共に外出された』と言っていたではないか?」 「馬鹿野郎!何でそれをもっと早く言わねえ!?」  怒声と共に、速度が上がる。 「だったら、弥勒と一緒にいた『俺』は誰なんだよ!?」
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