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一気に妖怪の大群を一掃して走っていると、目の前に巨大な樹木が見えてきた。
この前、弥勒が倒れていたあの木だ。
「かごめ、しっかり掴まってろよ、飛ばすからな」
「…うん!」
その横を、雲母が並んで飛び続ける。しばらく走ったあと、古びた祠を発見する。
そして、祠の前に立つ二つの人影は。
「弥勒―っ!」
弥勒は顔面に迫る爪をかわし、釈杖(しゃくじょう)で片足を払い、転ばせた。
敵が立ち上がる前に身を翻し、祠から離れる。
「逃がすかっ!」
素早い動きで法師に急接近し、今度は心臓めがけて腕を突っ込む。
ドガッ!!
急所は外したが、正面から拳を受け、弥勒は軽々と吹っ飛んだ。
「がっ…!」
そして、勢いよく樹木に背中を叩きつける。
先ほど引っかかれた傷のせいで、素早い動きに対応出来なくなっていた。
「とどめだぁ!」
誰かが猛ダッシュで走り出す敵の前に立ちはだかり、行方を阻む。
瞬間。
「てめえかあ!?」
犬夜叉の右ストレートが敵の鳩尾(みぞおち)に命中した。
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