《君の名は》

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ボクは見知らぬ女性に手を引かれ建物の隙間へと入った。  「あ!君は!・・・あの時の子?!・・・」 彼女はあの時、ボクに写真と向日葵の髪飾りを渡して消えた少女に似ていた。  でも違うんだ。  あの少女はボクの見た事のない服を着ていた。  B29は爆弾一つ落とさずに飛び去った。  「昨日も飛んで来たんだけど爆弾一つ落とさず飛んでゆくのよねェ・・・なんかおかしいわよね・・・」 「それで、あんた広島になにしに来たの、東京の人でしょう・・・」 「どうしてわかったんですか?・・・」 「その学生服の校章よ、東京帝国大学の物でしょう。近所のお兄ちゃんが行っていたから見た事あるんだ。」 「でも、この間、学徒出陣で硫黄島へ行っちゃったの・・・」
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