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亮は悪意を持った者をやはり好みはしないが、今のこのトウキョウを思うとそういう者もいてこそ人でも物資でもマッカでもサイクルしているのだろうと思っている。
DBライセンスの付加価値が高くなるのも仕方のないものだというご時世だ。
そんなDBを目指そうと躍起になって集まっているこの養成所の空気は張り詰めて、時々息抜きもしたくなるというもの。
孤児なので人脈も財力もない亮が工夫して見つけたのはこの談話室であった。
幸い、人見知りがないので気軽に訓練生と話して自分の苦手な分野をちょっとした時間に教えてもらったりしていた。
勉強だけでなく、様々な情報もこの談話室で得られるので一石二鳥なのである。
既に試験を受けた事のある者はやはり知識が多いし、亮と同じように今年からの訓練生は予備知識や、物資の情報、悪魔の情報や街の情報など亮よりはるかに多くの情報を持っている。
亮は、いかに今まで自分が小さな世界にいたのかをまざまざと見せつけられ、入って間もない頃は珍しくも落ち込んだりしたものだった。
しかし、ものは考え様。
こんなに情報を持った人たちがいるなら話を聞かない手はない!と、みんなと話して今に至る。
人によってはあまりいい顔をしない人はいるが、基本的に誰とでも話せる亮は浅いながらも友達が増えていった。
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